宮島に創業して120年 時代を超えて愛される宿
フェリーに乗って宮島へ渡り、海沿いの参道を歩くこと約7分。瀬戸内海と大鳥居を望む絶好の場所に、錦水館(きんすいかん)はあります。
創業は、1902年(明治35年)。木造2階建ての小さな宿からスタートした錦水館は、嚴島神社の参拝客を中心に多くの観光客に愛され続け、2022年4月に創業120年を迎えました。
立地、部屋、温泉など人気の理由はたくさんありますが、多くの人を魅了しているのが、地元食材を知り尽くした料理人が作る料理。前料理長の時代から一貫して“地産地消”、“安心・安全”にこだわり、宮島の気候風土と四季折々の移ろいゆく景色を瀬戸内の豊かな食材で表現してきました。
瀬戸内近郊で水揚げされた新鮮な魚介、毎朝収穫される甘みいっぱいの野菜、濃厚でコクのある卵……錦水館の料理には地元の“おいしい”がギュッと詰まっています。
錦水館名物「あなごめし」
錦水館の料理で絶大な人気を誇るのが、1階の食事処「まめたぬき」で提供しているあなごめしです。ご飯の上に柔らかな煮穴子をのせ、甘辛タレをかけたあなごめしは、老若男女に好まれる優しい味。18年ほど前に登場して以来、ファンを増やし続け、多い時には1日500~600食を販売したことも!
きっかけはお客様の声から
そんな中、これまで宿まで足を運ばないと食べられなかった名物料理が、自宅でも味わえるようになりました。きっかけは、常連客から「宿で料理をいただくのが楽しみですが、自宅でも味わえないか」といった声がたくさん届いていたからです。
「名物料理と笑顔をご自宅へ届けたい」
そこで、これまで来ていただいたお客様に何かできることはないかとスタッフ皆で考えた末、宿で提供しているあなごめしや牡蠣料理などをオンラインで販売することにしました。宿の味を自宅にお届けできたら、旅行気分を味わってもらえる。一番は、お客様に笑顔になっていただきたいという思いからです。